NGワード5選×やさしさリーダーの言い換え術

前回は「やさしさ」を軸にしたリーダーの行動習慣をご紹介しました。
今回は、つい繰り返しがちなNGワードやNG行動をピックアップし、その“言い換え・改善ポイント”をまとめてみました。
(1)NGワード5選と“セルフ・コンパッション視点”による言い換え
- 「大丈夫?」
- 問題点:相手の不安を一瞬で切り捨てるニュアンス
- 言い換え:「今、どんな気持ち?」 ・感情ラベリング+オープン質問で安心感を育む
- 「~すべきだよ」
- 問題点:命令形・評価軸が強く、自己否定を誘発
- 言い換え:「こうすると、どう感じそう?」 ・選択肢を与えながら自分ごと化を促す
- 「なんでできなかったの?」
- 問題点:責めや追及に聞こえ、内省を妨げる
- 言い換え:「何が障害になっていたと思う?」 ・事実探求+共感的承認で振り返りを深める
- 「もっと早く言ってほしかった」
- 問題点:過去への否定と責任転嫁
- 言い換え:「次はいつごろ共有するとスムーズかな?」 ・未来志向のスケジュール設計を一緒に検討
- 「いつまでそれやってるの?」
- 問題点:無理解とプレッシャーが重なり、心の余裕を奪う
- 言い換え:「あとどれくらい時間が必要?」 ・タスク感覚の可視化と協力姿勢を示す
(2)NG行動5選と「やさしさリーダー」の対処方法
- 会話を遮る →
- まず自分の思考を止める(3秒間意図的に沈黙)
- 相手の言い切りを待つ
- 「続きを聞かせてください」と促す
- 相手の沈黙を無視 →
- 沈黙を“考える時間”と捉え、余白として受け入れる
- 「いま、どんなことを思い浮かべていますか?」と問いかける
- 一方的なアドバイス →
- 相手の感情をラベリング(「今、不安を感じていますね」)
- 「私はこう感じるのですが、どう思いますか?」と提案に主語を置く
- オンライン会議中のマルチタスク →
- スマホをサイレントモード、カメラONで集中を宣言
- 聞きたい部分はメモし、終了後にフォローアップ
- 感謝や称賛の“ザツ”な扱い →
- 事実と行動を具体的に言語化(「〇〇の工夫で、あの問題が解消されました」)
- チームチャットなど“形”にも残す
(3)改善マニュアル:5ステップ
- 停止:いま出そうなNGワードを心でキャッチ。
- 受容:自分の“せかし癖”を認める。
- 感情ラベリング:相手の気持ちを言葉にして受け止める。
- オープン質問:「どう感じましたか?」「次はどうしたいですか?」
- 承認+リフレーミング:「その感情を抱いたのは、ここに期待している証拠ですね」
【まとめ】
NGワード・NG行動を減らし、意図的なやさしさを増やすことで、 “心身ともに安心できる職場風土”が育ちますよ。
最後までお読みいただきありがとうございました。